9月30日の日記

今年は神社仏閣に行く機会を多く頂きました。先週末に私と蘭丸さん、コース学習仲間の函南さんの三人で石清水八幡宮に参拝しました。三人で会うのは二年ぶりでした。

この日は夏が戻ってきたような暑い日でした。官幣大社でもあり大変格式の高い神社で、この日はお宮参りや可愛い七五三お祝いのご家族もいらっしゃいました。石清水八幡宮は酷く傷んでしまった境内修復の為に寄付を集めていらっしゃいます。私も微々たる額ですが協力させてもらいました。神社仏閣は日本の宝であり、尊い祈りの場所です。この修繕工事は大掛かりで莫大な費用がかかるようです。どうか必要な資金が集まり、無事に修復できますように(⇒https://iwashimizu.or.jp/daishuzo/)。

その後、車で大阪に移動します。前日 9 月 23 日が誕生日だった蘭丸さんのお誕生日祝いとのことで、昼食は函南さんにご馳走してもらいました。それから彼女のご自宅に訪問しました。
このブログでは、あまり函南さんのことを書いていないのですが、私達三人は定期的にスカイプで話したり、年に一度くらいの頻度で顔を合わせています。私がこれまで知り合った多くの人の中で、一番家庭環境が過酷だったのが彼女でした。テレビのドキュメンタリーで取り上げられるくらい非常識で酷い毒親の元で彼女は育ちました。数々の信じられないような悲惨な出来事を聞き、私は何度も胸が痛くなり腹が立ったのでした。
もともと地頭が良かったのと彼女自身の大きな努力もあり、現在は親と縁を切って社会人として自立し生活しています。初めて彼女の部屋を訪れてみて、持ち前のセンスの良さが光る素敵な空間でした。我が家は各所に動物の写真がペタペタと貼ってあるわちゃわちゃした空間なので、おしゃれの感性があるとこんなにも違うのかと思いました。いずれにせよ、数年に渡る彼女の大きな変化のプロセスを知っているので、感慨深くなりました。以前会った時よりもしっかりした感じ、地に足が着いた感じがしました。

彼女のように大きく自分を変えることができた人と、全く変わらない人と一体何が違うのだろうかと考えました。彼女は私達と一緒に数年に渡る自我の解体解除を行い、共に支え合って来ました。時には鋭い蘭丸さんの指摘を受け止め、またある時は楽しく談笑しました。私達の赦しの道は続いているのですが、日々の丁寧な赦しを続けて希望の光を絶やさなかった彼女を仲間として誇りに思います。

(写真は全て函南さんが撮ってくれました)

9月16日の日記

一泊二日で奈良に行ってきました。橿原神宮、飛鳥寺、長谷寺、大神神社を訪れました。私達夫婦は奈良の明日香・日本最古のお寺で、これまた日本で一番古いお釈迦様がいらっしゃる飛鳥寺が大好きなのです。飛鳥時代、ここは広大なお寺だったのですが今は小さなお寺になっており、裏口から蘇我入鹿の首塚が見えます。首塚、と聞くとおどろおどろしいのですが実際はのんびりした空気が漂う田んぼの中にある小さな石碑です。前回と同様に、飛鳥寺に来て大仏様の前に座ると和みホッとします。いつまでもここにいたいような感じ、家のリビングと繋がっているような感じ、蘭丸さんも私と同様の感想でした。この日は平日だったこともあり人が少なく、静かな境内はまるで私達の「心の実家」にいるような気持ちでした。

順序としては一番最初に広大な橿原神宮を参拝しました。ここは何処もいい香りがして(木の香りでしょうか?)静謐な空気に包まれていました。次に飛鳥寺、そして長谷寺に行きました。由緒ある古刹であるこのお寺には長い階段があり、汗だくになって上りました。息を切らして上りきった見晴らしのいい場所には本殿があり、そこには巨大な十一面観音菩薩様がいらっしゃいました。そのお姿の迫力に思わず私達も他の参拝者さん達も「おおっ!」と声をあげてしまいます。とても立派なお寺で四季折々の花が美しいそうです。実は二十年程前に、夢でこのお寺を見たことがあったのです。ずっと架空の場所だと思っていたのですが、最近たまたま Youtube に上がっていたJR東海のCMを見て「あれ?もしかしてあの時に見た夢のお寺なのかな?」と思い、この度初めて伺うことができました。ここは長い間祈りが重ねられてきた信仰の場所、尊い場所でありました。大きくてお優しい十一面観音菩薩様と緑の山に抱かれ、参拝すると有難い気持ちに包まれます。

そしてこの日は最後に、大神神社に伺いました。蘭丸さんは以前ひとりで初詣に来たことがあるのですが、私は初めてでした。日本最古の神社である大神神社の、うっそうとした森のような参道を通って参拝しました。ここでは私は何かに圧倒されて「メモリーがいっぱいになりました」状態でフラフラしてしまいました。感覚としては何かをダウンロードされたような気もします。多くの由緒ある聖域・神域がそうであるように、強いエネルギーというか ”気” に満ちているので、ひょいひょい軽い気持ちで来る場所ではないように思われました。大神神社に限らず何処の神社様・お寺様でもそうですが、こちらは特に祭られている神様にきちんと礼を持って手を合わせた方が良いように思います。
この日は終日歩き回ったので全身汗だくになりました。残暑厳しく蒸し暑い日で、薄曇り日が照っていなかったことが救いでした。

奈良は古墳が多くミステリアスな部分があるのに、空気感がのほほんとして好きなのです。古事記や日本書紀、万葉集の知識があるならば、興味が尽きないエリアです。私も今から少しずつ勉強してみようと思います。奈良は毎回「帰りたくない」「ずっとここにいたい」という気持ちになりますね。大和の国は初めて訪れる場所でも、どこか懐かしさを感じます。まさに心の故郷、奈良です。

橿原神宮
飛鳥寺
長谷寺の長い階段

大神神社