9月17日の日記

以前に紹介した精神科医の益田先生の動画を見て、元夫のことを思い出しました。今思うと、彼は自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)そのものだったんですよね。

私はトラウマがあるので自己愛性人格障害に関することを見るだけで不快になり変な汗が出ますが、先生の詳しい説明や、この障害に関する幾つかの情報に少しずつ目を通してみました。次第に彼の世界観が見えてきました。
本当に頭がおかしい人は自分が狂っているとは微塵も思ってはおらず、自分は常に正しいと信じて疑えません。そして極度に低い健全な自己肯定感を埋め合わす為に、虚偽の自己愛を高めに高めるのです。人を利用しようが傷つけようがお構いなしに。そしてナルシズムを取り繕う為に 24 時間 365 日神経を張り巡らせ、ついた嘘で身を固めるのです。自分でついた嘘が、彼の頭の中では次第に「本当」になっていくという恐ろしい知覚の歪みを、当時一番近くでこれでもかと見させてもらいました。本来精神科に入院するべきだったのは私ではなく、彼であったのでしょうが。

外ずらだけは良い元夫の狂った言動の数々は、このブログにでさえ全てを書き切ってはいません。私は過去に三人の女性に詳細を話したのですが、内容が酷過ぎて全員が泣き出しました。なんていうかホラーなのです。彼そのものと、彼と関わり DV を受けて殺されかけたこと、そしてその後数年に渡って私が苦しんだ怨恨・復讐・殺意の強い想念、その全てが神から離れた自我の世界でホラーそのものでした。当時住んでいた家もお化け屋敷だったし、結局磁石のように引き付け合って負の想念の魑魅魍魎的な何かが彼に乗っかり倍増したのだと思います。逆に言えば後にコースと出会う為に、自我の狂気をこれでもかと見させてもらえました。私の自我を解体する為には、あれくらい酷い状態に自分が追い込まれる必要があったのかもしれません。

こんなことをここに書くのは初めてなのですが、彼は既に亡くなっていると思うのです。私の自我は「そんな簡単に死なれてたまるか!老いぼれになるまで苦しみ続けろ!」って言うのですけれど、なんとなく 2014 年頃に四十代半ばであっけなく死んでしまった気がするのです。

9月10日の日記

蘭丸さんから勧められて見た映画が、とても良かったので紹介します。
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」という作品です。
アメリカで暮らす中国系移民の家族の物語なのですが、コメディのドタバタ・カンフー映画にパラレルワールドとメタバースが入ったお話です。こんな風に書いても意味が分からないと思うので(笑)是非見てみてください。全体的にわちゃわちゃしているのですが、深い内容でした。コース学習をしている方なら、ストーリの底に流れている「虚無」と「愛」への揺らぎのようなものが理解できる気がします。映画「マトリックス」「ルーシー」を経て、こんな作品が世に出る時代になったのかと感慨深くなります。そして、若くしてこの作品を作った二人の監督さんの感性の鋭さに、人間の進化をみました。凄いです。

作品で物語のキーパーソンとなる家族のお父さん役を演じている俳優さんは、昔子役で「グーニーズ」に出ていた方です。ベトナムから難民のボートピープルとしてアメリカに渡った方で、子役時代以降は映画業界の裏方で仕事をしており、俳優として復帰した第一弾でアカデミー賞を獲得されました。ハリウッドでもアジア系が活躍できる時代に、やっとなったのです。
こちらは感動的なアカデミー賞助演男優賞を受賞されたシーン。